ゲームキューブの内蔵電池をハンダ付け無しで装着してみる
以前から内蔵時計が停止状態にあったゲームキューブ…。
ついに起動する度に設定がリセットされる現象が生じるようになり毎回毎回
再設定を行うのが煩わしく感じて来たため、その内蔵時計や本体設定を維持させている電力の源と言える
コイン電池を交換しようという考えが好奇心と共に立ち上がった。そこで恒例の如く交換方法を調べてみると
冬場になると気温の影響もあるのか読み取り精度が低下してしまい、何度かディスクを読み取ることができない症状に
見舞われたことがあった。だが、今のところ致命的な問題までとは至っていないため今回は
コイン電池交換のみに止めることとする。交換手順を示した記事によればハンダ付けを行ってコイン電池を固定、
あるいはコイン電池ホルダーを取り付けて次回以降の交換を容易に行えるようにする…というものであった。
しかし私は万が一ドジをやらかしてハンダごてをフレキシブルケーブル(平べったいテープの様なケーブル)に当ててしまい、
ケーブルを溶かしてしまうという失敗を犯してしまったら元も子もないという不安が過ってしまった事から、
元々接続されていたコイン電池を剥ぎ取り、新たなコイン電池を装着しようと言う方法を試みたのだが……。
最初の作業で用意した道具は以下の通り。
重要な道具
・CR2032(新コイン電池)
・スーパーファミコン分解時に用いたラインヘッドドライバー
・ドライバーのビットを回すためのペンチ
・テープ(最初は両面テープを用いたが結局ビニールテープを用いる羽目になった)
・グリップ+ドライバー(精密機器用ドライバーを用意していたが余程力を入れないとネジが回転しなさそうだったので断念)
さほど必要でもない道具
.静電気防止手袋(フレキシブルケーブル接続時は素手で行った方がやり易いと思われる)
.10円等のコインの形をした物(GBプレーヤーを取り外す際は-ドライバーでは太刀打ちできない)
分解手順
コイン電池が装着されているコントローラーポート取り外しまでの分解手順は以下の通りだ。
まずは本体を裏返し、GBプレーヤーが接続されている場合は10円等で-ネジを回して固定を解除した後に取り外す。
ラインヘッドドライバーを用いて四つの特殊ネジを逆時計回りに回して取り外しておく。
ビットしか手元にない場合はペンチ等を用いて回すという手があるが、ペンチが本体カバーに傷を与える場合もある点に注意。
四つのネジを全て外し終わったら向きを元に戻して本体上部カバーを持ち上げる。
するとまるでアフロの様にカバーが持ち上がるのでサッと取り除く。
作業中にピックアップレンズを汚したり傷を与えたりしたくない場合は何らかのディスクを装着しておくべし。
コントローラーポートの基板を見ると例のコイン電池が露わとなっているはずだ。
後面の各ポートカバーは前に倒すと外すことが可能だが取り外しても外さなくても今回の作業では問題ない。
コントローラーポート基板取り外し前の練習台としては役立つかもしれないな。
肝心のコントローラーポート基板の取り外しだが左右両側にあるツメで固定が行われている。
これらのツメを外し終えたらゆっくりと前へ慎重に倒す。
本体に接続されているフレキシブルケーブルを慎重に上へ引っ張るとスッポリとケーブルが外せるはずだ。
コントローラーポート基板を本体から分離させたら、グリップ付き+ドライバーで二つのネジを取り外す。
コントローラーポートのカバーを取り外し終えたのでいよいよコイン電池の剥ぎ取り作業に入ったが……
こいつが中々硬い。
とても強固に杭の様な物で電池が固定されており精密-ドライバーでほじくっても一切ビクともピクしない様子だった。
何か電気を通す配線の様な物を利用して、ハンダで接着されている側の出っ張りに新たなコイン電池を装着できれば…。
そこで私は断線して使い物にならない百均イヤホンに目を付けた。
イヤホン断線修理時の経験を頼りに、長さを調整して切ったコードをハサミで優しく力を加えて中の配線だけを取り出す。
確かエナメル線と言ったか?このままの状態では電気を通すことができない性質を持っているらしく
ライター等で配線を炙る必要があったはず。炙り終えた二本の配線をコイン電池の+側と-側に両面テープで接着する。
コイン電池の場合は表面が+、裏面が-となる。
基板に記された-と+の印を確認しながら、ハンダ接着面の出っ張りに-と+に対応した配線を巻き付けて両面テープで接着。
新コイン電池と基板との接続を終えたら旧電池の上に新電池を乗せて両面テープで固定。
基板をコントローラーポートカバーに接着、+ネジを元に戻しておく。
フレキシブルケーブルを素手で慎重に確実に本体へ接続。
コントローラーポートを本体へ戻す際は下部の部分が出っ張らないように注意しながら装着し、後ろに倒してツメを固定。
本体上部カバーを取り付けてラインヘッドネジを戻し、いざ起動開始。結果は……
…これはダメだったようだ。不思議な事に内蔵時計は全く進んでいる気配はないものの
本体設定がリセットされているという表示は出なくなった。僅かながらに電力が流れ込んでいると見做せるかもしれないが
何か別の配線があれば・・・。それで私は後日、ホームセンターで配線ケーブルを購入することにした。
なるべく費用を抑えたかったため安価な配線を選んでみたのだが、これはどうやら車用の配線ケーブルらしい。
他にはスピーカー用配線なんてものがあったが今回は此方を用いることにした。
早速このケーブルをイヤホン配線接続時と同様の手順で二本切り離したら配線を剥き出しにし、基板への強引な接続を試みる。
結果はイヤホンの配線を用いた際よりも悪い具合であったようで、内蔵時計はおろか本体設定すら維持出来ていない様子だ。
他にも配線を完全に剥き出しにしてから接続してみたりと試しに試したのだが悉く失敗に終わる。
ふと、テープを電気を通さないビニールテープを用いたら何か結果は変わらないかと頭に過る。
そこでまずは旧電池が装着されている部分を片っ端からビニールテープを貼り付けて新電池と接触しないように施した。
次に配線ケーブルを全て剥き出しにしたらスパゲッティの如く細々とした配線が散り散りとなるため、
これらを指で捻り上げて一本の配線として扱えるようにする。
コイン電池の+面と-面に配線を取り付け終えたら電池全体にビニールテープを貼り付ける。
何方が+面か-面であるかを識別できるように一部だけ貼らないという工夫も忘れずに。
新電池を旧電池の上に乗せて、長めに切ったビニールテープで固定を行っておく。
その後に各配線をハンダ側の出っ張りに巻き付けてビニールテープで固定。
空気が抜けるように出っ張りが見えてくるまで指で押し付けておくと固定が若干ながら強化されると思われる。
各パーツを本体へ戻し、内蔵時計の進み具合を確認してみたところ正常に動作が行われている事を確認した。
その後も電源ケーブルを二時間程度外した状態で放置した後に確認してみたが至って全く問題なさそうだった。
しかしその良好な状態も何処まで続いてくれるのかは定かではない。一週間以上経過しても
問題が生じなければ今回の作業は成功と言う事にしておこう。今後、万が一問題が生じたその時は
あらゆる手を尽くして何が有効かを確認しておきたい。この本体でのハンダ作業だけは極力避けたいところだが。
あれから数日後、ゲームキューブの内蔵時計の動作は問題なく動いている様を眺めていたのだが
突如時計の動きがあやしくなり始め、仕舞には以前と同様の問題が生じるようになってしまった。
どうしたものかと再び内部を調べてみるとビニールテープが無残にも剥がれ切ってしまっていた事が発覚。
前回の成功例と同じ方法で処置したらテープをギッチリと貼り付けまくったのだが今度は通電が行えていないのか
起動する度に設定がリセットされてしまう現象を発症。ならばと配線を+と-に各三本で接続させてみることにした。
ついでに、ゲームキューブ側の接続部分をクリーニングしてみたりしたが…
設定リセット現象の改善は全く無いに等しく、そもそもこの状態で本当にコイン電池から電気が通っているのかを
乾電池チェッカーを通して確認を行ってみると極僅かな反応しか得られなかった。
そこでコイン電池への配線接続に問題があるのだろうと見做し、配線が散り散りとなった状態のままでコイン電池への装着を試みた。
装着時は配線がなるべくコイン電池の中心になるのを心掛けながらテープを貼り付けて、貼り付け完了後に配線を捻っておく。
この状態でチェッカーで確認を行うと中位程度の反応を示したためこのままゲームキューブ側へ接続を行った。
とにかくビニールテープはこれでもかという程にギッシリペッタリと貼り付けておく。
良い結果を望みながら早速時計の動作を確認してみたところ無事に動作を再開してくれた……と言うのが先月の話ではあるが
先ほど様子を窺うと本来の時刻よりも数十分程遅れていた状態にあった事が判明。それ以前でも極端な時は数時間程も
遅れていた事もあったが本体設定リセット現象を免れているだけマシな結果と言えるだろう。
時折時計が遅れるのはコイン電池からの供給電力が不安定な状態にあるのが一番の問題かもしれない。
気が向いたらスピーカー用配線などを用いてどんな配線が一番適切であるかを調べてみたいものだ。
初版:2025年8月17日
追記:2025年9月17日